君嶋彼方「君の顔では泣かない」読書感想
【はじめに】
読書好きの友人から勧められた本です。最近はビジネス書ばかり多く読んでいたので、たまには小説を…と思って読みました。何せ入院中のため、ちょっと頭の回転のリハビリとして読みました。
【設定】
男女の身体が入れ替わるという設定。映画「君の名は」や東野圭吾「秘密」など、人の身体が入れ替わるという設定は人物描写を深く浮き彫りになるので好きです。
【心に止まった点】
男性が女性になり、生理や性を体験するところ、お互いの家庭の違い、兄弟いの距離感、家族の思い出・記憶の共有、恋愛の行く末など、大切な人生のページ、かけがえのない出会いや体験が描かれていた点が印象的でした。
【覚悟】
入れ替わってしまったが、それをふたりの秘密として、二人で日記や喫茶店での情報交換をしながら、他人の身体を大切にして生きていくというところも好印象でした。
【自分自身の人生を受け入れる】
変化を受け入れるということは大変。祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり…「すべてものは移り変わる」「すべては変わるということを覚悟しておくことが大事。私も周りも変化し続けていくのです。私の場合は、病気持ちなので、時が薬になってくれるよう、切に願っています。
【禍福とは糾(あざな)える縄の如し】
災禍と幸福は、縄をより合わせたように表裏一体。だから一つのことに一喜一憂しても仕方がないということ。
【おわりに】
今は、人生を受け入れ、抗わず、うち流されていくしかないように思います。季節を感じ、時が過ぎ行くのを待って、また歩き始めるしかないようです。
それでは、お気をつけて。