お疲れさまです。speckleです。
今回は、ゆっくりと展覧会の絵を見ながら、お読みください。
【はじめに】
11月に三菱1号館美術館の「イスラエル博物館所蔵 印象派ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン 光の系譜」という展覧会に行ってきました。昔から「アートやデザイン」に興味があります。特にモネら「印象派」の作品に、なぜか強く惹かれます。展覧会に行ってみて「やっぱり印象派はいいな。時の洗礼を受けてなお残っているものは、やはり素晴らしい」と再確認しました。帰途に就き、購入した「作品集」を眺めながら、もう少し踏み込んで絵画を観る鑑賞能力を身につけたいと思いました。そこで、樺沢紫苑先生の「インプット大全」でも触れられている、エイミー・E・ハーマン著「観察力を磨く名画読解」を手に取りました。もっと、深く名画を鑑賞する方法や、絵を描くヒントになるものを身につけたいと思ってページをめくったのです。

【光と影】
この本に書いてある「まず影を見よ!次に光がどこから射しているのか見よ!」という言葉が強く印象に残りました。この言葉に触れて以降、あらゆる場面(例えば写真)で、無意識に「光と影」について意識するようになりました。
まず影はどこか?そして光がどこから射しているか?これは、自分の観察はもちろん、人間観察する上でも、役に立っています。最近は、家族、職場、患者様、友人と接するときに、相手の「光と影」はどこにあるかをうっすらと考えながら、観察し、コミュニケーションをとっています。

「お前の光は、今何処にある」

【よく観察する】
話をしなくても、履いている靴、着ているもの、持っているものから、その人が何物かが想像でき、わかります。
よく観察せよ。じっくり。
身につけているものから、その人の性格・思考・生い立ち・職業などが、想像できるのです。自分の感覚・想像力を信じて、審美眼を磨き、本質を見抜く能力を身につける練習をしましょう。ノンバーバルコミュニケーション、沈黙こそ雄弁なのかもしれません。存在だけで、その人から伝わる多くものがあるのです。

【記憶力はあいまい、思い込みは厳禁】

自分の観察力は、曖昧で、自分の思い込みも、時間とともに強くなります。このことを肝に銘じ、一瞬一瞬を、新鮮な目で見つめましょう。思い込みは禁物。時間とともに、良かったこと、感動した物事は美化してしまいます。反対に嫌な物事はほとんどは忘れ去られる、あるいは、悪として一纏めにして記憶に刻まれるのです。
何事についても、客観的に見る術を知り、時間が経過した後に、もう一度よく考え、書き出してみると、深く理解することが出来るそうです。
先ほどの、オランウータンの写真。生きているように見えるオランウータンですが、よく見ると実は人形です。「生きている猿」だという思い込みはありませんでしたか。細部をよく観察してみてください。意識して見ていないと、自分自身に、うっかり本物だと思い込ませて次へと進んで、見過ごしてしまうものなのです。本には、もっとトリッキーな写真が掲載されていました。

【絵画観賞の一つの方法として】
①まず自分の目で見る。
②既存の情報や意見を参考にする。
③もう一度、自分の目で見る。
これをすると、観る眼力が高まるそうです。展覧会に行ったときは、是非音声ガイドを活用してください。①②③をすると何十倍も理解が深まり、印象に残ります。そして感動した美術展では、作品集を買い、帰ってからも時折、作品に関する文章を読みながら鑑賞しなおしてみると、ずっと楽しめます。
【五感を使って観察する】
全周に目を配り、あらゆる角度から分析しましょう。観察力を向上させるという意識を持って、練習しましょう。絵画に描かれている内容の細部を観察することで「情報収集能力」「思考力」「判断力」「伝達力」「質問力」を磨くことができるのです。

【コミュニケーションもアート】
言葉で、光と影を描くことも出来るのです。いろいろな色(言葉)で配色する。言葉で輪郭を、くっきりあるいはぼんやり描く。これからも、言葉を吟味しながら手作りで、コミュニケーションという絵を描いていきたいと思います。
【時には、じっくり観察しましょう】
①全体を捉えつつも、細部をおろそかにしないこと。
②複雑さをおそれないこと。結論を急がないこと。
③疑問を持つ心を忘れないこと。結論を急がないこと。
④客観的事実だけを扱うこと。
冷静な観察力が身についてくると、人と違う視点に目をつけ、本来あるべきものが欠けていることに気付くことが出来ます。その視点によって「自分らしくデザインする力」がついてくるのだと思います。
【おわりに】
観察力を磨きながら、仕事や日常生活のなかで、審美眼を持って、感性豊かに生きていきたいです。さらには、自分や周りの人の生活を、よりよくデザインする力を持ちたいと思います。
それでは、お気をつけて。
