毒親になりたくない☆息子との距離感がつかめない☆「うるさい、うざい」からどうやって歩み寄っていくか考えてみた

鴻上尚史著「親の期待に応えなくていい」

「毒親になりたくない

【はじめに】
子供が中学生になり、親子の心理的距離が
少しずつ距離が離れていくのを感じる。
注意すると面倒くさそうに返事したり、
アドバイスしても余所余所(よそよそ)しい感じがしたりする。
簡単に言うと、「うざい」「うっとおしい」と思われている。
うまく「コミュニケーション」を取る方法がないかなと
思って、この本を手に取った。
私も、自分の人生を自分で決めることが出来なくて、
今でも困っているのが実情だ。
親に振り回される人生から、
解放されたい私にとっても、
大切な本かもしれない。

【コミュニケーションとは】
「コミュニケーション」とは「もめたときに何とかする能力」のこと。
お互いが少しずつ妥協して、譲って、我慢して、うまい
「落としどころ」を見つける。
best(最高)ではないけど、better(まし)な解決策。
worst(最悪)ではなくて、worst(わりとダメ)な解決策。
親子でも、話し合って、お互いの言い分が少しずつ
盛り込まれた「何とかやっていく方法」を方針として
選ぶことが出来たら、OKなんだなと分かった。
リハビリの仕事でも、
利用者・セラピスト・家族・世間・社会の
それぞれの意見が、少しずつ盛り込まれて、
みんなが納得・協力して出来る方針(意見)が
まとまった時が一番、
「やったー」と思う(ドーパミン活性化)瞬間なので、
家族においても、
その道(みんなの意見を盛り込んで、
みんなが納得できる一番betterな選択)を
提案し、見つけられたら幸せなんだということがわかった。

【多様性の時代】
以前の日本は、みんなが同じである「同質性」と
みんな同じことをしなさいという「同調圧力」が強い国だったが、
現代は、みんなの好みや意識、価値観(何を大切にするか)は、
バラバラになっていき、間違いなく多様性に向かって進んでいる。

【子育ての目的】
「子育て」とは、子供を健康的に自立させること」
(経済的な自立と精神的な自立)
子育ては、健康的に自立させるために、「他者」になりつつある
子供とうまくつきあうしかない。
子供と同じように、この宙ぶらりんな感覚に負けず、
安易な押しつけを選ばず、
云々(うんうん)と試行錯誤しながら、つきあっていくことが
親の仕事のようです。

【親は子供のプロデューサーにはなれない】
「その人を一番よく知っていること」と
「その人に一番役立つアドバイスが出来ること」は別。
俳優のファンが、戦略など的確にアドバイス出来ないのと同じ。
それが出来るのは、プロデューサーやディレクター、演出家など
批評的に愛する(冷静に分析する)ことが出来る人なのだ。
つまり、親は子供のファンであって、
子供のプロデューサーになることは出来ないのだ。
子供のチャレンジして、失敗する姿を
離れて、後ろから見ながら、
親もゆっくり成長していくことが大切なのかもしれない。

【毒親問題】
親は、言葉だけでなく、表情や態度で家族を
コントロールすることをしないように気をつけないといけません。
子供にとっての問題は、
自分の頭で考えるのではなく、
親の考えをそのまま自分の考えだと思い込んでしまうことです。
または、親にまかせて、自分が考えることをやめてしまうことです。
今から、「自分は本当は何がしたいんだろう?」と
考える訓練を始めることが、大切なことです。
焦らずゆっくりと自分の頭で考えましょう。

【自分で考える習慣】
一人きりで、ぼんやりしながら、将来について
考えるといい。
消去法で考えてもいいし、
向いてそうなことがあれば、
とりあえずやってみたらいいんじゃねえの。

【自分の人生を変えないまま、子供の人生を変えようとする親】
親に対して、「むかつく」「うざい」と、シャットダウンするのではなく、
どうしてそんなことを言うのだろうと、想像してみましょう。
シンパシーとは、同情(例:シンデレラはかわいそう)。
エンパシーとは、共感(例:シンデレラはどんな気持ちだったのだろうと想像すること)。
「エンパシー」は、自分と違う価値観や考え方、
感じ方を持っている人と、なんとか関係をつなぎ、
会話していくための方法なのです。

【親は自分の人生を変えるべき】
親として、「自分またはパートナーを否定する」
ということは、たとえ思っていても、
子供の前では言ってはいけないのです。
自分自身に自信がなかったり、子供時代に
愛されなかったり、不幸だった親は、
自分を卑下して、子供を通じて、自分を確認し、
自分を承認し、世間に対して自分の価値をアピールする。
子供が、親の期待に振り回されなくて済む方法は、
親の人生を充実させること。
つまり、親は自分の人生を充実させることが、
子供の人生を充実させることなのです。

【世間と社会】
「世間」とは、あなたに関係ある人たちのこと。
反対語の「社会」とは、あなたと関係ない人たちのこと。
※欧米では「社会」の反対語が「家族」。欧米に「世間」という意識はない。
日本には、5つの世間ルールがある。
①年上がえらい。
②同じ時間を過ごすことが大切。
③贈り物が大切。
④ミステリアス(謎ルールがある)(例:ランドセルとかリクルートスーツ)。
⑤仲間外れを作って、より団結する。
日本では、封建時代(江戸時代)から続く、
村意識、人情ルール、個人より集団を大切にする考え方
が根強く残っている。
しかし、一人一人が違う価値観を持って、多様性に
向かって、現代は進んでいる。
いまだに日本人は、「世間」が強く残っているため、
断るときに罪悪感を持ってしまったりしますが、
あまり「世間」に縛られずに、「社会」の人だと割り切って、
微笑みながら、断れば良いのです。
「社会」は「法のルール」
「家庭」は「愛情のルール」
「世間」は「人情がルール」
「家族」が「世間」になるのが一番不幸なパターンです。
家庭が世間にならないための5つのルール対処法
①「親のアドバイス」と「親を大切にすること」を分ける。
②時間でつながるのではなく、心でつながる。
③親に頼らず、欲しいものを買う。
④親の謎な言い分、押しつけには、ちゃんと考えて反論する。
⑤家族の中で仲間外れを作る、他の家族の悪口や攻撃で、
家族の絆を深めようとする場合は、その場から離れましょう。

【息子へ】
あなたと親は、ゆっくり互いに「他者」に成長していくのです。
あなたはあなたの人生を幸せに生き、親は親の人生を幸せに生きる。
「愛情がルール」の場合でも、「人情がルール」の場合でも、
やがて「健康的に自立すること」を目指すのです。
あなたは親の「付属品」ではありません。
あなたは親ではないのですから、
いつか間違いなく、
親とは違う生き方をしたいと思うようになるのです。


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