子供の「スマホ」をやめさせたいが、大人も「スマホ」やめられない☆正しい「スマホ」との付き合い方とは?

読書感想題名:スマホ問題
アンデシュ・ハンセン著「スマホ脳」

【はじめに】
スマホが普及して7年間くらいは、何となくスマホやLINEに縛られるのが嫌で、スマホとは距離を取り、最新テクノロジー(電子マネー・フェイスブック)にも触れてこなかった。いわゆるスマホを全然使いこなしていない状態。スマホの楽しみはアマゾンの買い物だけだった。

いろいろあって仕事を離れることになり、2020年10月から時間が余るようになった。何となくYou tubeで、ボクシングや野球、歴史解説をよく見るようになった。また病気についてもよく検索していた。病気について検索しているうちに、 You tube 樺チャンネルを見て、樺沢紫苑に興味を持った私は、彼の著書「アウトプット大全」を読み、もっと、自分もブログなどでアウトプット(発信)してみたいと思った。

まずは、スマホの機能を使いこなそうと、メルカリアプリをダウンロードし、家にある不用品を売り始めた。結構アクセスがあり、どんどんモノが売れるので楽しかった。その次に電子マネーを利用した。これも最初は使い方に四苦八苦したが、すぐに便利に使えるようになった。慣れてきたのでインスタグラムを始め、主に晩ご飯についての投稿にも慣れていった。交流が楽しくなり、アマゾンを見る機会は減っていった。マイナンバー申請もスマホで完了。スマートウォッチとスマホを連動させ、歩数管理もするようにした。現代の最強ツール、スマートフォンの便利さを享受できるようになった。

そのうち、ブログ構築やインスタグラムをしていると、スマホを触っている時間が長いなぁと自分でも感じるようになった。樺沢紫苑の著書には、「スマホ使用時間は1日2時間が望ましい、自分のスマホ時間を知るアプリを使おう」と書いてあった。迷った挙句、スマホ時間管理アプリをダウンロードした。そうすると驚くべき結果が待っていた。1日3~5時間スマホを利用していたのだ。私の子供たちも、帰宅後や休日はスマホを見ている時間が非常に長い。そんなこともあり、スマホ依存の知識を深めたいなと思っていたところ、あるブログで「スマホ脳」の紹介と脱スマホをしている記事を読んだ。早速メルカリで「スマホ脳」を購入し、手に取って読んでみた。
以下、「スマホ脳」に書かれてあったことをまとめてみる。

【人間の本質】
人類の歴史を1000とすると、インフラ整備されたのが8/1000、スマホ登場したのは1/1000。人類は、誕生してからのほとんどの時間を狩猟採集民として過ごしてきている。太古の人類は、サバンナでライオンやヘビ、別の部族の人間との殺し合いなど多くの危険に囲まれていた。食事も自分で探して飛びついて食べないと餓死してしまう。人間は、このようなストレス下で過ごしていた。昔から人間は、常に危険がないか、食料がないかと注意・集中・記憶を積み重ねてきた。

そう、科学技術が発達し、安全で飽食の現代という時間は、まだこれっぽっちしか時間が経っていなくて、人類の脳は、狩猟採集民として生活してきた1万年前が積み重なっているのだ。人間の脳は1万年前とほとんど変わっておらず、普段は危険と食料、敵か仲間かについてを考える動物だと考えられる。

1万年の積み重ね(危険と食料探し、人間観察)で、人間の脳には新しいものを発見し、学びたいという非常に強い衝動があることがわかっている。新しい情報に対し、ドーパミンが活性化(脳がドーパミンを放出する)する、人間は「何かが起こるかも」という期待が大好きな生物なのである。脳は、新しいものを知りたがるという本質は太古から変わっていない。だからスマホ(パチンコ並みのドーパミン増強機)がやめられない。指先ひとつでどんどんドーパミンが活性化してしまい、次々に新しいが、さほど重要ではないニュースへ移っていって、やめられない機械がスマホなのだ。

【ストレスと不安】
長い人類の歴史の中で、人間は「睡眠」「運動」「お互いへの強い欲求」を備えてきた。「睡眠」は、記憶の保存に重要な役割を果たす。「運動」は、集中力が高まり、ストレスへの耐性がつく、そして記憶力も強化される。「お互いへの強い欲求」は、敵か味方かを判断するための人間観察に長けるようになっていった。
太古の人類はサバンナのストレスに対して、「闘争か逃走か」のいずれかの反応で対処していた。「相手を攻撃するか、逃げるべきか」だけを比較的単純に判断してきたのだ。
昔から人間は、あまりにも強いストレスにさらされると、「闘争か逃走」が重要で、それ以外のことすべて(睡眠・消化・繁殖・記憶)を放棄してしまう習性がついている。
※ストレス=脅威そのものに対する反応(闘争か逃走か)ーHPA系(視床下部・下垂体・副腎系)
※不  安=脅威になり得るものに対して起こる(火災報知器)ー扁桃体(敏感すぎるくらい)

【現代のストレス】
古代のストレスは「ライオンを攻撃すべきか、逃げるべきか」という質のものだったのに対し、現代のストレスは質が異なる。仕事の締め切り、高額な住宅ローン、苦情、人間関係、重労働、緊張感、プレッシャー、複雑な制度、変化のスピード、24時間3交代制労働、シフト変更・調整など、一瞬の集中力は求められない代わりに、長時間ストレスが継続することが多い。それに加えて、ドーパミン増幅器(スマホ)を手放すと不安になる。インスタグラムで皆がどれだけ幸せかという情報を大量に浴びせられると、自分は損をしている、孤独な人間だと感じてしまう。SNSがストレスを与え、嫉妬させフェイクニュース・企業広告を拡散している。
人間のHPA系(闘争か逃走)は、現代のたぐいのストレスのためには進化してきていない。現代のように長期にわたってストレスホルモンの量が増えていると、前に書いたように脳はちゃんと機能しなくなる。では、どうすれば最新のテクノロジーを健全な形で扱えるようになるだろうか?その答えは、SNSする時間を減らすことが鍵になりそうだ、それによって、人生に満足を感じ、ストレスが減り、自分の周りの人たちと「顔をあわせる」時間が増える。

【現代の人間に必要なことは?】
とにかく睡眠9~11時間が必要。残念だが、睡眠障害を抱える現代人はどんどん増加している。
運動は週に2~3時間。運動すると、ストレス耐性、集中力、気をそらさない能力がUPする。
社会的な関係を作る、適度なストレスに自分をさらす。
スマホの使用を制限し、ぜひ睡眠・運動・仲間づくりに取り組むときっと心身に良い影響を及ぼすだろう。
また、複雑化する現代社会では、大きな情報の塊をうまく取り込み、膨大な情報に溺れないようにしなければならない。

【スマホの魔力】
通知音や次々と新しいページを開く毎に脳がドーパミンを放出し、夢中になってしまう。集中を必要とする情報は、ネット上には、4%しか載っていない。インターネットには深い思索を拡散してはくれない。表面をかすめて、次から次へと進んでいくだけ。目新しい情報とドーパミン放出を永遠に求め続けて…。

【スマホを使っていると】
①人間は、一度にひとつのことにしか集中できない。複数の作業を同時にこなしていると思っていても、実際にやっていることは、作業の間を行ったり来たりしているだけなのだ。集中する先を切り替えた後、再び元の作業に100%集中できるまでには何分も時間がかかる。集中力は低下するし、マルチタスクをしているときの記憶は、海馬ではなく、線条体(運動記憶)に入ってしまい、記憶力も低下してしまうのだ。
②サイレントモードでも、スマホは私たちの邪魔をする。一日に何百回とドーパミンを放出させる「スマホ」。あなたはそれが気になって仕方がない。今や、スマホは脳の一部。いつも頭の片隅にスマホがあり、大切なことに100%集中することなんて出来ない。
③勉強中にスマホを使うことにより、勉強の理解が悪くなるうえに、時間もかかる。
④脳は、デジタルデータで記憶媒体に残すんだから、人間の記憶(感情)には残さなくていいと思ってしまう。何もかもデジタルに頼り切りになり、本来備わっている人間の能力が失われつつある。
⑤スマホが魅力的過ぎて周囲に関心が持てなくなってしまう。
⑥スマホが及ぼす影響は、時間(運動・人付き合い・睡眠)を奪ってしまうこと。スマホ=時間どろぼう。

【自分が出来ること】
①自分のスマホ時間を知ろう。
②目覚まし時計を買おう。(枕元にスマホを置かない)
③スマホを手元に置かない。
④スマホ画面をモノクロに。(刺激を避ける)
⑤運動しよう。
⑥SNSは、積極的に交流したい人だけをフォローしよう。

【おわりに】
スマホ脳を読んでみて、スマホを別の部屋に置いておく、寝室には持ち込まない、運動(朝散歩とガーデニング)という新たな習慣を身につけた。投稿は集中して書いて、スマホをダラダラ見ないように決めた。しかし、子供たちは、スマホと距離を置くのは難しい様子。まずは自分からスマホと適切な距離を取ることを継続していきたい。そして、 大きな情報の塊をうまく取り込み、社会に還元できるように、読書やブログ投稿を積み重ねていきたいと思う。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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